松下 享平 氏+佐藤 剛宣 氏 ご紹介の一冊「UNIXという考え方―その設計思想と哲学」

ちらの一冊、なんと2名の方からご紹介いただきました。

 

紹介者:

株式会社ソラコム テクノロジー・エバンジェリスト 松下 享平 氏
(講演: I-08 先端事例に学ぶ IoT の実用例と、今だからこそ知っておきたい IoT 通信の役割と選び方 )

EDGEMATRIX株式会社 常務執行役員 佐藤 剛宣 氏
(講演: 「着実なエンジニアのための」WebRTCでつなげる映像エッジAI )

本タイトル:UNIXという考え方 ― その設計思想と哲学

 

著者:Mike Gancarz (著)、芳 尾桂 (監訳)

 

松下享平氏による紹介文:

この本は140ページ、2時間弱で読めてしまう「ソフトウェアの哲学書」で、ソフトウェア設計の定理が9つ解説されています。最初に挙げられている定理 “Small is beautiful” は、エンジニアの方であれば一度は聞いたことがあるフレーズではないでしょうか。なぜ、小さいことが美しいのか、美しさはソフトウェアにとって何をもたらすのかを、たった9ページで解説しています。このように「定理」だからこそ一切の無駄を無くした内容であるため、ページ数も少なく読みやすいです。UNIXというOSを題材に解説はしているものの、現代、そしてクラウドにも適用できるものばかりです。例えばUNIXのパイプや標準入出力は、クラウドのHTTP REST APIに置き換えて考えることができますし、先ほどの “Small is beautiful” は、マイクロサービスやコンテナに通ずるものがあります。初版が1993年と、ITの世界ならもはや古文書(!)に類するであろう本書が、2000年には日本語訳が出版され、その後少なくとも22版と現在に渡って発行され続けているのは「現代、そして未来にも通用する」からと言えるでしょう。今やどのような開発でも不可欠、そして複雑化するソフトウェア開発ですが、だからこそブレる事の無い哲学を知り、実践することでより良いソフトウェア開発につなげることができればと思い、紹介いたします。

 

佐藤剛宣氏による紹介文:

本書の中の「日本語版刊行に寄せて」の中で、「日本人は小型化の名人」であり「小さいものは美しいという考え」でUNIXは設計されたとあります。これは、いわゆる問題解決のアプローチとして捉えることもできますし、サーバー集中的な設計に対する分散設計とも捉えられます。さらには、オープンソースに代表されるような働き方と捉えてみることも可能でしょう。いずれにせよ、単なるOSの話にとどまるのではなく、本書には、じっくりと腰を据えて長く使われるソフトウェアを設計するヒントはもちろん、それを通して、生き方に対するヒントまで込められていると感じます。コロナによって先行きの見通しが立たない時代、改めて原点に帰って見つめ直してみるのはいかがでしょうか。

 

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